IoTに使用するLTEモジュールに興味がある・探している、という方のために、IoTに活用しやすい各種製品を、表形式でまとめてご紹介します。
本記事では、インターネットで検索出来て、かつ大手販売代理店・ショップに在庫が豊富にあるnRF9160シリーズ、および国内キャリア3社(Softbank/docomo/KDDI)が対応製品として公開しているLTEモジュール製品を掲載し、比較・解説しています。
LTEの周波数帯は、ほとんどが携帯電話のMNO(以下、キャリア)に割り当てられています。
ですから、日本国内でIoTに利用する場合には、電波法についてもよく把握しておかなければいけませんので、その点も簡潔に触れます。
本記事を参考にして頂くと、自分の目的に合ったLTEモジュールを速やかに見つけ、違法にならずに安心して導入することができます。
なぜIoTの通信にLTEが必要なのか?
IoTの無線通信にLTEを使用する理由は、以下の通りです。
LTEを使用する理由
- 他の無線通信方式に比べて通信距離が長い
- 周波数帯がMHz帯であれば回り込みに強
- 国内メーカーであれば技適認証済みのラインナップが多い
LTEは、主に携帯電話で利用されている方式です。
700Mhz帯〜3.5GHz帯まで広い範囲を利用します。
Wi-FiやBluetoothよりも転送レートは落ちますが、数Kmまで通信可能な電波であり、MHz帯は回り込みに強い特徴もあるので、もちろんIoTにも適しています。
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LTEの利点・欠点

LTEという規格の利点と欠点は、いったいどのようなものか、以下で解説します。
IoTに利用する場合、これらの利点と欠点を踏まえて設計の検討をしないと、思わぬところでつまづいてしまう可能性があります。
利点1. MHz帯は回り込みに強い
LTEはMHz帯を利用する場合、障害物の回り込みに強いため、機器配置の自由度が上がりますので、使い勝手がよくなります。障害物の多い空間で有利です。
利点2. LTE対応携帯端末が普及している
スマートフォンの普及率は人口の9割です。
大手キャリアの現在の普及規格は4G-LTEですから、ほとんどの携帯端末が対応しています。
これらの使い慣れた端末を制御用端末として利用できるということになりますので、この部分はハードウェア開発が必要なくなります。
欠点1. 海外大手メーカーが日本向けモジュールを製造していない
海外大手ディストリビューターの在庫品としては、世界中で使用可能であるにも関わらず、日本国内で必要な技適には対応していないというものが多いです。
NordicSemiconductorのnRF9160シリーズほぼ一択です。
これでは選択肢が狭すぎますね。
設計予定製品の要件に合わない可能性が高まる・メーカーの製造リードタイムの影響を直接的に受けやすい、というデメリットがあります。
また、海外キャリアのみ対応の製品を使う場合は、自前で技適認証を取る必要があります。
欠点2. 複数キャリアに対応しにくい
LTEモジュールは海外メーカーの技適対応製品が極めて少ないため、国内メーカーのモジュール利用は選択肢として外せません。
国内メーカー各社から、各キャリアのLTE通信対応モジュールが販売されています。
ですが、大手3キャリア全てに対応している製品はラインナップが豊富とは言えません。
各キャリアごとに対応する製品も多いので、複数キャリアへの対応をするには、選択肢が狭まりやすい面があります。
欠点3. 通信速度が低い
IoTとしての用途がテレメトリ(遠隔測定)などの少量通信で済むのであれば問題ありません。
4G-LTEは下り150Mbps/上り50Mbps程度、LTE-Mであれば、下り300Kbps/上り375Kbpsが多いです。
ただし、時間の経過とともにIoTが高度化すると、通信速度がネックになる可能性があります。
欠点4. 干渉波を拾いやすい
先述の長所で、回り込みに強い、ということを挙げましたが、ということは、干渉しやすい、ということでもあります。
ですから、利用シーンをよく検討したり、干渉波への対策=ダイバーシティも設計に盛り込む必要があります。
モジュールがダイバーシティに対応していないと、その機能を開発するコストが増大するか、利用シーンが限定されることになります。
欠点5. 規格のライフサイクルが終わりが近づいている
LTEは、いずれ遠くない将来、5Gへと完全移行されます。
すると、LTEは廃止されていくわけです。
ですから、自社製品のリリースまでの開発リードタイムを十分検討し、開発するメリットとリスクを洗い出す必要があります。
LTEモジュールを選ぶポイント

LTEモジュールを選ぶポイントとしては、以下の項目を押さえるようにしましょう。
LTEの場合、キャリアの回線と接続しなければいけないので、どの周波数をターゲットにするかも検討が必要です。
SIMカードのインターフェースも設計に含める必要があります。
開発環境は構築しやすいか?
IoTシステム開発には、以下の要素が揃わなければいけません。
IoT開発で必要な要素
- 開発用PC
- 通信モジュール
- プロセッサ(ファームウェアを内蔵し、通信モジュールを制御)
- 各種接続キット(開発用PCとプロセッサ・モジュールを接続)
- SDK(開発用PCにインストール。ファームウェアを含むソフトウェア部分の開発
開発用PCから無線アンテナまで連なる一連の開発環境を組み立てる必要があります。
これは、LTE以外のどんな通信方式を採用しても同じです。
国内メーカー製品を利用する場合はサポートを受けやすいですが、国内メーカーの製品はそれほど多くないので、海外メーカー製品も含めて考えた方が、設計自由度は高くなります。
ネットワークミドルウェア内蔵か?
TCP/IPやTLSなどのネットワーク機能を備えたミドルウェアが内蔵されている製品がおすすめです。
このような製品は、インターネット通信機能の開発コストを大きく削減できますし、クラウド対応も視野に入るというメリットがあります。
他にもHTTP/HTTPSや、IPv6などに対応しているものがあります。
使用予定国・使用キャリアの電波関係認証を取得済みか
どの国とキャリアの認証を取得済みかという点も、開発コストに大きく影響を与えます。
どこまで海外マーケットを視野に入れるかによって対象国・対象キャリアは異なります。
ただし、自社製品の利用方法として、キャリアの回線と直接通信しないのであれば、キャリアの認証は必要なくなります。
アンテナの特性に注意!
アンテナ外付けのLTEモジュールは、他の通信方式と同様、認証を取るときは、一時的に別売りの何らかのアンテナを使って試験しています。
これをリファレンスアンテナといいます。
特にLTEモジュールは小型化のためか、LGA形状の製品など、チップだけのモジュールも多いです。
さらに、製品のデータシートに対応アンテナが記載されておらず、インピーダンスだけ指定される場合も少なくありません。
リファレンスアンテナの情報を直接問い合わせるなどして、しっかり探すようにしましょう。
LTEモジュール製品情報比較一覧表
LTEモジュール製品情報比較一覧表を掲載します。
その中で、各製品の主要な特徴をご紹介します。
メーカー | Nordic Semiconductor (ノルウェー) | Nordic Semiconductor (ノルウェー) | Nordic Semiconductor (ノルウェー) | Nordic Semiconductor (ノルウェー) | セイコー (日本) | セイコー (日本) | セイコー (日本) | 京セラ (日本) | 京セラ (日本) | SierraWireless (カナダ) | SierraWireless (カナダ) | Telit Wireless Solutions (イギリス) | Telit Wireless Solutions (イギリス) | Telit Wireless Solutions (イギリス) | Telit Wireless Solutions (イギリス) | 村田製作所 (日本) | Sequans Communications (フランス) | SIMCom Wireless Solutions (アメリカ) | Thales DIS (フランス) | IDY (日本) | IDY (日本) | u-blox (スイス) | 太陽誘電 (日本) | 太陽誘電 (日本) | 太陽誘電 (日本) | 太陽誘電 (日本) |
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型番 | NRF9160-SIAA-B1A-R | NRF9160-SICA-B1A-R | NRF9160-SIAA-B1A-R7 | NRF9160-SICA-R | MM-M500 | MM-M510 | SKM32 | KYM12 | KYM11 | RC7630 | HL7800 | LBWA1UZ1GC-958 | ME310G1-WW | ME910C1-J1 | ME910C1-WW | LBAD0XX1WG | WFM200SS22XNN3 | SIM7000JC | EMS31-J | iS105B-002 | iS105B-001 | SARA-R410M-63B | CL3ADAH2Z | CL2ADAH2Z | CL32DAH31 | CL12DAH31 |
価格[円] | 3246 | 3246 | 3246 | 2805 | 10430 | 5770 | 見積 | 見積 | 見積 | 見積 | 見積 | 見積 | 見積 | 見積 | 見積 | 見積 | $18 | 見積 | 見積 | 見積 | 見積 | 見積 | 見積 | 見積 | 見積 | 見積 |
無線規格 | R13 M-1/NB-1 R14 NB-1/NB-2 | R13 M-1/NB-1 R14 NB-1/NB-2 | R13 M-1/NB-1 R14 NB-1/NB-2 | R13 M-1/NB-1 R14 NB-1/NB-2 | LTE Rel.10 CAT.4 D:150/U:50Mbps | LTE Rel.10 CAT.1 D:10/U:5Mbps | LTE CAT.1 D:10/U:5Mbps | LTE CAT.3 D:75/U:25Mbps | LTE CAT.3 D:75/U:25Mbps | LTE CAT.4 D:150/U:50Mbps | LTE-M Rel.13 CAT.M1 D:300/U:375Kbps Rel.13 CAT.NB1 D:27/U:65Kbps | LTE-M Rel.14 CAT.M1 D:0.6/U:1Mbps Rel.14 CAT.NB2 D:120/U:160Kbps | LTE-M Rel.14 CAT.M1 D:0.6/U:1Mbps Rel.14 CAT.NB2 D:120/U:160Kbps | LTE-M Rel.13 CAT.M1 D:300/U:375Kbps Rel.13 CAT.NB1 D:21/U:62.5Kbps | LTE-M Rel.13 CAT.M1 Rel.13 CAT.NB1 | LTE-M Rel.13 CAT.M1 | LTE-M Rel.13 CAT.M1 D:300/U:375Kbps Rel.13 CAT.NB1 D:40/U:55Kbps | LTE-M CAT.M1 D:300/U:375Kbps CAT.M1 D:34/U:66Kbps | LTE-M Rel.13 CAT.M1 D:300/U:375Kbps | LTE-M CAT.M1 D:300/U:375Kbps | LTE-M Rel.13 CAT.M1 D:300/U:375Kbps | LTE-M Rel.13 CAT.M1 D:300/U:375Kbps | LTE-M Rel.13 CAT.M1 D:300/U:375Kbps | LTE-M Rel.13 CAT.M1 D:300/U:375Kbps | LTE-M Rel.13 CAT.M1 D:10/U:5Mbps | LTE-M Rel.13 CAT.M1 D:10/U:5Mbps |
I/F | UART SPI | UART SPI | UART SPI | UART SPI | USB ETH UART 外付SIM eSIM M2 | USB ETH UART 外付SIM eSIM M2 | USB UART x2 | USB UART x2 B2B | USB UART x2 B2B | USB UART | UART USB2 SIM | USB UART SPI | USB UART SPI | USB UART SPI SIM | USB UART SPI SIM | UART UICC | UART USIM | USB UART x2 | Serial x2 UICC | USB2 UART SIM B2B | USB2 UART SIM B2B | USB UART SPI SIM | UART eSIM | UART eSIM | USB2 UART eSIM | USB2 UART eSIM |
ANT | 外付 | 外付 | 外付 | 外付 | 外付 ×2 | 外付 ×2 | 外付 U.FL x2 | 外付 U.FL x2 | 外付 U.FL x2 | 外付 | 外付 | 外付 | 外付 | 外付 | 外付 | 外付 | 外付 | 外付 | 外付 | 外付 MHF1 x3 | 外付 MHF1 x3 | 外付 | 外付 | 外付 | 外付 | 外付 |
技適 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | 〇 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
寸法[mm] | 105 x 16.0 x 1 | 105 x 16.0 x 1 | 105 x 16.0 x 1 | 105 x 16.0 x 1 | 30 x 42 x 2.7 | 30 x 42 x 2.7 | 37 x 50 x 4.5 | 37x 50 x 5.3 | 37x 50 x 5.3 | 23 x 22 x 2.5 | 15 x 18 x 2.4 | 28.2 x 28.2 x 2.2 | 14.3 x 13.1 x 2.6 | 28.0 x 28.0 x 2.2 | 28.0 x 28.0 x 2.2 | 12.0 x 12.2 x 1.6 | 21.4 x 20.3 x 1.7 | 24 x 24 x 2.6 | 27.6 x 18.8 x 2.17 | 36.5 x 35.7 x 6 | 36.5 x 35.7 x 6 | 16.0 x 26.0 x 2.5 | 14 x 15 x 1.9 | 14 x 15 x 1.9 | 26 x 20 x 2.4 | 26 x 20 x 2.4 |
動作温度[℃] | -40 ~ 85 | -40 ~ 85 | -40 ~ 85 | -40 ~ 85 | -20 ~ 60 | -20 ~ 60 | -30 ~ 70 | -30 ~ 70 | -30 ~ 70 | -40 ~ 85 | -40 ~ 85 | -40 ~ 85 | -40 ~ 85 | -40 ~ 85 | -40 ~ 85 | -40 ~ 85 | -30 ~ 85 | -30 ~ 80 | -30 ~ 85 | -30 ~ 75 | -30 ~ 75 | -40 ~ 85 | -30 ~ 70 | -30 ~ 70 | -30 ~ 70 | -30 ~ 70 |
動作湿度[%] | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 5 ~ 80 | 10 ~ 90 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 |
説明 | ・セルラーモジュール ・TCP/IP内蔵 IPv4/v6 ・SIM/eSIM ・GPS C/A L1 ・FCC/CE/ ISED/SRRC | ・セルラーモジュール ・TCP/IP内蔵 IPv4/v6 ・SIM/eSIM ・GPS C/A L1 ・FCC/CE/ ISED/SRRC | ・セルラーモジュール ・TCP/IP内蔵 IPv4/v6 ・SIM/eSIM ・GPS C/A L1 ・FCC/CE/ ISED/SRRC | ・セルラーモジュール ・TCP/IP内蔵 IPv4/v6 ・SIM/eSIM ・GPS C/A L1 ・FCC/CE/ ISED/SRRC | ・VOLTE ・W-CDMA ・GPS/ GLONASS ・SIMフリー | ・VOLTE ・GPS/ GLONASS ・SIMフリー | ・GPS ・KDDI ・SIMあり/なし対応 ・モジュールブラケット01 ・メーカー直販 | ・VOLTE ・GPS ・KDDI ・メーカー直販 | ・VOLTE ・GPS ・KDDI ・SIMあり/なし対応 ・メーカー直販 | ・TCP/IP内蔵 ・VOLTE ・GPS/ GLONASS/ Galileo/BeiDou/ QZSS | ・Softbank/ KDDI/docomo ・TCP/IP内蔵 (IPv4/IPv6) ・GPS/GLONASS ・メーカー直販 | ・Softbank/ docomo/KDDI ・TCP/IP内蔵 (IPv4/6) ・FCC/CE/IC/ 他多数 ・GPS/ GLONASS/Beidou/ Galileo ・メーカー直販 | ・Softbank/ docomo/KDDI ・TCP/IP内蔵 (IPv4/6) ・FCC/CE/IC/ 他多数 ・GPS/ GLONASS/ Beidou/Galileo ・メーカー直販 | ・docomo ・TCP/IP内蔵 (IPv4/6) ・GPS/ GLONASS/ Beidou/Galileo ・メーカー直販 | ・Softbank/ docomo/KDDI ・TCP/IP内蔵 (IPv4/6) ・FCC/CE/IC/ 他多数 ・GPS/ GLONASS/ Beidou/Galileo ・メーカー直販 | ・Softbank/ KDDI/docomo/ Soracom ・TCP/IP内蔵 (IPv4/IPv6) ・GPS/ GLONASS ・メーカー直販 | ・Softbank/ KDDI/docomo ・TCP/IP内蔵 ・FCC/IC/他多数 | ・docomo/KDDI ・TCP/IP内蔵 (IPv4/6) ・GPS/ Glonass/ BEIDOU ・メーカー直販 | ・Softbank/ docomo ・メーカー直販 | ・docomo ・メーカー直販 | ・docomo ・メーカー直販 | ・Softbank/ docomo ・TCP/IP内蔵 (IPv4/6) ・メーカー直販 | ・docomo ・メーカー直販 | ・docomo ・メーカー直販 | ・docomo ・メーカー直販 | ・docomo ・メーカー直販 |
LTEモジュールの購入先

購入先についてわかりやすいように整理しておきます。
まず、大手海外ディストリビューターを探す前に、個国内大手3キャリアのホームページから、LTEモジュールのリストにアクセスしましょう。
URLを以下に載せておきます。
このリストのページから、各製品の詳細情報を確認することができます。
ここには、日本の技適に対応している海外メーカー製品も含まれています。
ただし、海外ディストリビューターが一般的に取り扱っている製品はほぼ無いので、調達は直接メーカーに連絡を取って、見積もりから始める必要があります。
参考URL (LTEモジュール) :
・KDDI https://biz.kddi.com/service/iot/iot-lte/product/
・docomo https://www.nttdocomo.co.jp/biz/support/iot/product/?tab-tit-01#tab-tit-01
・Softbank https://www.softbank.jp/biz/iot/iotsolution/product/
LTE-MとNB-IoTって何?
LTE-MとNB-IoTについて解説します。この2つの規格は、どちらもLTEと同じ周波数帯を使用した低消費電力・小帯域幅の通信方式です。
この周波数帯はライセンスバンドなので、総務省の許可が必要です。
現実的には、公衆回線網が必要な場合はキャリアの回線をレンタル契約で利用し、端末側でLTE-M・NB-IoTを利用した独自のIoTネットワークを構築するのが普通です。
この2つの規格は、通常のLTEと比較して非常に低速なので、少量のデータ通信で実現できるテレメトリ・在庫管理などの用途に適しています。
特筆すべき点は、低消費電力のためバッテリーが長寿命になることで、なかには10年間のバッテリー持続時間を実現している製品もあります。
まとめ
LTEモジュールは、先述したように、海外ディストリビューターで技適対応している製品となると、NordicSemiconductorのnRF9160シリーズしか選択肢がありません。
これは豊富な在庫があるものの、この1シリーズだけを採用してしまうと、設計の自由度が失われます。
そこで国内メーカーに目を向けるわけですが、国内メーカーのLTEモジュール製品は、大手ディストリビューターで取り扱っておらず、直接取り寄せる必要があるものが大半です。
そのため、製造フェーズで大量仕入れが見込まれる場合は、設計段階から対象メーカーと製造能力について検討しておく必要があります。
これは製造能力が不足する製品で設計してしまうことを避けるためです。
特に製造リードタイムはメーカーや製品によってバラバラですので、注意が必要です。
複数製品を導入することで調達リスクを分散することも検討すべきでしょう。
また、LTEは5Gに置き換えられていくため、LTE対応製品をリリースしてもライフサイクルが短くなることが懸念されますから、リリース中~直後に仕様が陳腐化しないような計画が望ましいでしょう。
ですから、できるだけ自社製品の開発リードタイムを短くすること、そして5Gモジュールへアップグレードしやすい設計にすることを意識して製品選定や設計を心がけましょう。
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