現在、70億台以上のIoTデバイスが接続されていますが、この数が2025年には220億台に増加すると予想されています。
さまざまな分野でIoT化が進む中、商業施設においても導入が加速中です。
日本では馴染みがないものの、世界的に注目されている海外企業の存在も目立つようになりました。
そこで今回は、商業施設における海外企業の事例を10選紹介します。
商業施設における海外事例10選
IotaComm IoTで水道の無駄を省く
IotaCommでは、スマートビルディングに向けたIoTシステムを提供しています。
同社のシステムを活用することで、施設全体のデータを収集・分析し、経費削減やシステムの最適化に繋がります。
大手不動産グループであるパシフィック・リテール・キャピタル・パートナーズは保有する商業施設の1つの水道代が他よりも高いことに気がつきました。
そこで、IotaCommのIoTシステムを導入し、水の消費パターンや消費された量を視覚的に示し、水の大量消費の原因を特定。
原因は水冷式の冷凍装置にあることが判明しました。この装置の不具合を直した結果、水の使用量は急激に減少したといいます。
AlertMedia IoTを活用した監視体制
AlertMediaでは、警報通信ソフトウェアを提供しています。
クラウドベースのプラットフォームにより、双方向のコミュニケーションとモニタリングを提供。
同社の開発したアプリ「SafeSignal」では、緊急時にモニタリングセンターへの迅速な通報を可能にします。
商業施設での導入が期待されているIoTサービスの1つです。
AVT スマートサイネージで顧客が店頭で購入へ
IoTアプリケーションにより、小売店における「スマートサイネージ」の利用が拡大中です。
店頭でのパーソナライズされた映像体験を提供されたことで、人々の買い物の仕方に革命をもたらしています。
南アフリカの大手デジタルサイネージ企業のAVTでは、独自のIoTシステムによる最適化されたサイネージ(電子看板)により、最大で41%の人々が店頭で購入することを確認しました。
デジタルサイネージは視覚的な美しさだけでなく、データ分析による論理的な提案を顧客に提供することができます。
参考:ショッピングモールの未来:小売業におけるIoTアプリケーション
Plexure AIプラットフォームの活用で利益向上
PlexureのAIプラットフォームは、小売業者が適切なメッセージを適切な顧客に適切なタイミングで届けることをサポートします。
同社はセブンイレブン・オーストラリアと協力し、一定の成果を挙げました。
セブンイレブン社専用のアプリにはプロモーションや限定商品を紹介するページがあります。
これらをPlexureのプラットフォームによって分析。アプリ内でのユーザーの行動、リアルタイムのデータなど、人口統計、過去の購入データなどを活用し、ターゲットを絞りました。
個人に最適化したコンテンツを提供することで、店頭での販売を促進。
その結果、セブンイレブン・オーストラリアでは、2016年から2020年の間に前年比71%の成長を含む、大幅な利益の向上を記録しました。
Igor IoTで「スマートビルディング」を実現
Igorでは、ハードウェア、ソフトウェア、クラウド分析で構成されている「スマートビルディングプラットフォーム」を提供しています。
同社の主力製品であるIoT照明ソリューションは、照明を制御し、さまざまなIoTデバイスの統合が可能。
これにより、初期費用やメンテナンス費用を節約可能です。商業施設をはじめ、学校や医療施設などさまざまな分野での活用が期待されています。
参考:Igor公式サイト
Caper LAB コロナ禍で非接触の買い物を実現
昨今のコロナ禍では、接触機会の少ない安全な買い物方法が模索されています。
Caperのスマートカート技術では、カート上で決済ができる非接触型の買い物を実現。
Caper社のカートを使用することで、買い物客は、列に並んだり、チェックアウト時にレジ係とやりとりしたりする必要がなくなります。
買い物の全てのプロセスをCaper社のカート上で完了させることが可能です。
参考:COVID-19に対する食料雑貨店の戦いへのケーパーのサポート
CoolerScreens これまで活用してこなかった冷蔵室の扉をIoT対応スクリーンに
CoolerScreensの手掛けるサービスでは、通常は機能しない商業施設の冷蔵室の扉をIoT対応のスクリーンに変えます。
このスクリーンにより、ブランドはリアルタイムでプロモーションを行い、顧客データを活用しながら、在庫切れの警告や価格の更新などを各店舗に提供することが可能です。
Enevo IoT対応のコンテナで廃棄を削減!
商業施設による大量廃棄は社会問題の1つです。Enevoでは、IoT対応のコンテナセンサーを用いて、廃棄物・リサイクルサービスを提供し、廃棄物による環境・経済的な負担を軽減します。
具体的なサービスとしては、リサイクルプログラムや食品廃棄物プログラム、特殊な素材の代替回収・処理、サプライチェーン分析などです。
英国のノッティンガムにある7つのマクドナルド店舗では、同社のIoT対応のコンテナセンサーを導入。その結果、12%のコスト削減と50%のリサイクル率の向上を実現しています。
Point Inside 屋内マップでもう迷わない
Point Insideは屋内マップを作成し、データ駆動型の測位技術や屋内位置情報サービスを提供している企業です。
2009年の設立以来、商業施設をはじめ、空港、病院など、さまざまな分野で利用されています。
同社の屋内マップを活用することで、顧客に最適なルートやお得な情報を届けることが可能です。
独自システムにより、企業は独自のアプリを開発する必要がなく、コスト面のメリットも大きいでしょう。
Tive サプライチェーンを可視化
Tiveでは、クラウドソフトウェアとセルラートラッカーを用いて、サプライチェーンの可視性を向上させます。
サービス内容は、高額商品の位置追跡、化学物質の状態監視、港での遅延回避など多岐にわたります。
同社のIoTサービスを利用することで、輸送コストの削減や在庫の削減などが期待できるでしょう。
サステナビリティが問われている昨今、商業施設におけてサプライチェーンの重要度が高まっています。
注目企業の1つです。
参考:Tive公式サイト
まとめ
今回は商業施設における海外企業の事例を紹介してきました。
照明ライトからサプライチェーンまで、商業施設に関連するさまざまな部分でIoT化が進んでいます。
国内のみならず、海外企業の技術にも注目してみてください。