IoTプロジェクトに使用する通信モジュールとして、ZigBeeモジュールを採用すべきかどうかを検討している、という方のために、IoTに活用しやすい各種製品を、表形式でまとめてご紹介します。
ZigBeeは「ZigBeeAlliance」という団体が推進している国際規格であるため、大手メーカーの製品が流通していますし、日本国内でも利用できる製品があります。
本記事では、インターネットで検索出来て、かつ大手販売代理店・ショップに在庫が豊富にある製品をピックアップして比較・紹介します。
本記事を参考にして頂くと、自分の目的に合ったZigBeeモジュールを見つけることができ、設計に影響を与える代表的な問題点についても明確になります。
なぜIoTの通信にZigBeeが必要なのか?
IoTの無線通信にZigBeeを使用する理由は、以下の通りです。
ZigBeeを使用する理由
- 大規模なメッシュネットワークが構築可能
- 低消費電力=超長寿命
- 海外メーカー製品も技適対応しているものが豊富
ZigBeeでは、大多数のノードをサポートしていて、かつ中継機能を持たせることができます。
これにより、大規模なメッシュネットワークができます(スター型・ツリー型も可能)。
ちょうど、蜂の群れがホルモンや規則的な行動で情報を伝達しあい、集団行動するのと似ています。
また、ワイヤレス・センサー・ネットワークを実現するための規格であるため消費電力が低いです。
平均動作電流は最も少ないケースで数μA程度なので、この場合乾電池1個で数年間動作させることができます。
認証については、海外大手通信モジュールメーカーの製品で、技適対応のものが多くあるため、選択肢が多いです。これは国際規格の強みです。
ZigBeeの利点・欠点

ZigBeeという規格を、前項よりももう少し詳しく見ていったとき、利点と欠点は一体どのようなものなのでしょうか?
ここでは、その点について具体的に解説します。
IoTに利用する場合、これらの内容をしっかり踏まえて設計の検討をしなければいけません。
利点1. ISMバンドなのでライセンス不要
ZigBeeの使用可能周波数帯は、国際的には、800MHz帯・900MHz帯・2.4GHz帯があります。
このうち、日本国内ではISMバンドの2.4GHz帯だけが使用できます。
ISMバンドとは、工業・科学・医療の頭文字をとったもので、ライセンス不要で利用できる周波数帯のことです。
電子レンジなど、通信用途以外の電磁波を放出する製品が多く存在します。
ライセンス不要ということは、その分多くの企業が参入することができ、様々な目的で製品を作ることができます。
このため、企業間の技術協力がしやすく、免許の申請・維持のコストもかからないというメリットがあります。
利点2. 超低消費電力
先ほども述べましたが、ZigBeeはワイヤレス・センサー・ネットワークを目的とした規格です。
この主目的のために通信量を抑えて電池の長寿命化を図っています。
ノードには、ネットワーク全体を管理するコーディネーターノード、情報を中継するルーターノード、末端のエンドデバイスノードという3つの役割があります。
コーディネーターノードとルータノードは稼働時間が増えやすいので、消費電流がやや多くなりますが、エンドデバイスノードは主にきわめて短時間の計測動作をするもので、それ以外の時間はスリープできます。
その結果、先述したように乾電池1本で数年間デバイスを動作させることができます。
IoT用途として考えると、例えば、小型の電池で稼働できるため、搭載製品も小型にできることや、搭載製品が購入されてから寿命を迎えるまでの間に、電池交換がほとんど不要になるというメリットがあります。
これにより、メンテナンスコストを抑えることができます。
利点3. 大手ディストリビューターの在庫が豊富
日本国内で利用できる技適認証済みのZigBeeモジュールを、世界的な通信モジュールメーカーが製造しています。
また、Mouser、chip1stop、DigiKeyなどの大手ディストリビュータの在庫も豊富です。
そのため、自社製品のニーズに合わせてモジュールを選びやすく、設計自由度を高く維持することができます。
データシートを探す場合は、まずはMouserを探し、そこに無ければメーカーのホームページを探す、という順序で探すのがおすすめです。
理由は、Mouserは仕入れ当初のデータシートを残している場合があるからです(メーカーがホームページへの掲載をやめても残っている場合があります)。
補足ですが、TexusInstrumentsは、日本法人のホームページからしかデータシートが見れないものが多いです。
欠点1. 欠点1. ISMバンドは電波干渉が多い!
ZigBeeは、2.4GHz帯のISMバンドを使用しますので、Wi-Fi、Bluetoothと競合します。
これらの先行して普及している規格の、確立された利便性に押され、ZigBeeは普及しにくい立場にあるということです。
特に屋内での利用シーンを考えたとき、Wi-Fi・Bluetoothを押しのけるほどのメリットを生み出すのは至難の業と言えるのではないでしょうか。
これがZigBeeの持つ最大の欠点です。できるだけ干渉が少なくなるような利用シーンを検討する必要があります。
また、ISMバンドは免許不要である代わりに、他分野の強力な電磁放射を伴う製品が干渉を引き起こします。
そのため、利用シーンによっては、非常に強い干渉に対処しなければいけません。
そのため、シールドやフィルタ、信号再送制御など、ハードウェア・ソフトウェア両面でのノイズ対策機能に高い水準が求められ、開発コストが押し上げられる可能性があります。
欠点2. 通信速度が遅い
ZigBeeの通信速度は250Kbpsです。
センサーの測定データを運搬するのに必要充分な帯域幅になっているのです。
そのため、Wi-Fi・Bluetoothと比較して非常に小さい帯域幅しかなく、大容量のデータ伝送はとてもできません。
残念ながら、映像・音声などのデータ量が多い用途には適していません。
欠点3. 遮蔽に弱い
ZigBeeの周波数は、Wi-Fi・Bluetoothと同じ2.4GHz帯です。
GHz帯は、遮蔽に弱く、減衰しやすいという特性があります。
そのため、デバイス同士のネットワークを構築したとしても、極力見通し距離を確保する工夫が必要になります。
これは、デバイス配置の自由度を大きく妨げる要因です。
海外のZigBee製品は800MHz帯・900MHz帯なので、2.4GHz帯よりも回り込みに強いです。
ということは、日本国内よりも、中継機能を活用しやすいです。
このような違いを考慮すると、日本市場は海外の技術展開に大きく遅れてしまう懸念があります。
欠点4. インターネット親和性が低い
ZigBeeはのプロトコルスタックは、TCP/IPではありません。
そのため、インターネットに接続するソリューションにするためには、インターネットへのゲートウェイは、別途実装する必要があります。
わかりやすい例は、ネットワークを管理するコーディネーターノードをゲートウェイとすることです。
この欠点も、開発コストを増加させる要因となります。
ZigBeeモジュールを選ぶポイント

ZigBeeモジュールを選ぶポイントは、以下の通りです。
開発環境は構築しやすいか?
IoTシステム開発するにあたっては、どのような通信モジュールを使うとしても、以下の要素は必須です。
ZigBee開発で必要な要素
- 開発用PC
- 通信モジュール(ZigBee・技適対応)
- プロセッサ(ファームウェアを内蔵し、通信モジュールを制御)
- 各種接続キット(開発用PCとプロセッサ・モジュールを接続)
- SDK(開発用PCにインストール。ファームウェアを含むソフトウェア部分の開発
開発用PCから無線アンテナまで連なる、一連の開発環境を組み立てる必要があります。
ZigBeeは海外メーカーも技適対応製品をリリースしているので、設計自由度が高いメリットがあるのですが、その反面検討しなければいけない開発ツールが多いです。
受信感度はどの程度か?
ZigBeeは先述したように干渉電波が沢山ある状況下で運用しなければいけません。
また、減衰しやすい周波数帯でもあります。
これらの不利な特徴を少しでもリカバリーするため、受信機の感度はできるだけ高いことが求められます。
寸法が同等の製品でも、受信感度を見るとバラツキがありますので、できるだけ受信感度が高い(=小さいdBmまで対応できる)製品を選定するように注意しましょう。
Bluetoothとのハイブリッドは必要か?
ZigBeeモジュールの中には、Bluetoothとのハイブリッド製品があります。
ZigBeeは、単独では非力な通信規格です。
ということは、他の通信方式とのハイブリッド設計にして欠点を補い合うという発想は、決して無視できません。
例えば、複数のZigBeeデバイスを制御するような管理デバイス(コーディネーターノード、ルーターノード)であれば、実現しやすいでしょう。
中継ネットワークが必要か?
ZigBeeは中継機能があります。
ルーターノードが、エッジノードからのデータを中継します。
これはいわゆるバケツリレー方式です。
大多数のノード(最大65535台)を同時に接続できる仕様なので、長距離・広範囲をエリア化できる能力があります。
だからこそ、IoTとしての利用シーンを考えたとき、果たして中継機能によるメリットはどのぐらいあるのか、検討する必要があります。
中継が必要ない低消費電力の規格であれば、Bluetooth-Low-Enegy、LTE-M、Sigfoxなど、他の規格でも代用が利きます。
もし中継できることで重要な価値が得られるのであれば、ZigBeeを採用する価値は大きく上昇します。
補足しておくと、競合規格であるWi-Fi、Bluetoothでもメッシュ機能はサポートされています。
使用予定国・使用キャリアの電波関係認証を取得済みか
ZigBeeの使用可能周波数は、海外でも日本国内と同じ2.4GHzを使用できます。
ただし、国ごとに電波関連の認証基準が異なります。
海外大手メーカーの通信モジュールであれば、ほとんどの場合FCC(アメリカ)・IC(カナダ)・ETSI(欧州)といった主要経済地域の認証規格に準拠しています。
ZigBeeは国際規格なので、海外認証ずみ製品を利用すると、海外にも展開しやすくなります。
できるだけ避けられる機会損失は避けた方がよいので、どの国の認証があるとメリットが大きいか、忘れず検討しましょう。
アンテナの特性に注意!
ZigBeeモジュールも、外付けアンテナの製品があります。
このタイプの場合、認証の時は一時的に別のアンテナを使って試験します。
これをリファレンスアンテナといいます。
自社製品のアンテナ特性がこのリファレンスアンテナの特性から乖離すると、再認証の手間が発生するので注意しましょう。
もしデータシートに十分な情報が記載されていない場合は、メーカーに問い合わせる必要があります。
ZigBeeモジュール製品情報比較一覧表
ZigBeeモジュール製品情報比較一覧表を掲載します。その中で、各製品の主要な特徴をご紹介します。
メーカー | Silicon Labs (アメリカ) | DIGI (アメリカ) | DIGI (アメリカ) | DIGI (アメリカ) | DIGI (アメリカ) | DIGI (アメリカ) | DIGI (アメリカ) | DIGI (アメリカ) | DIGI (アメリカ) | DIGI (アメリカ) | DIGI (アメリカ) | DIGI (アメリカ) | DIGI (アメリカ) | Fanstel (アメリカ) | Mono Wireless (日本) | Mono Wireless (日本) | Mono Wireless (日本) | Mono Wireless (日本) | Mono Wireless (日本) | Mono Wireless (日本) | Mono Wireless (日本) | Texas Instruments (アメリカ) | Texas Instruments (アメリカ) | Texas Instruments (アメリカ) | Texas Instruments (アメリカ) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
型番 | MGM220PC22HNA2R | XB3-24APS-J | XB3-24APT-J | XB3-24ARS-J | XB3-24AST-J | XB3-24DMPS-J | XB3-24DMPT-J | XB3-24DMRM-J | XB3-24DMRS-J | XB3-24DMST-J | XB3-24DMUS-J | XB3-24Z8CM-J | XB3-24Z8PT-J | BC840M | MW-R-DI-U | MW-R-DI-W | MW-R-WX | TWE-L-DI-U | TWE-L-DI-W | TWE-L-U | TWE-L-WX | CC2530F64RHAT | CC2531F256RHAR | CC2531F128RHAT | CC2538NF53RTQT |
価格[円] | 896 | 2448 | 2800 | 2448 | 2448 | 2448 | 2448 | 1976 | 2800 | 2448 | 2448 | 1976 | 2448 | 1628 | 2760 | 2760 | 2250 | 1800 | 1800 | 1250 | 2250 | 796 | 922 | 685 | 1108 |
無線規格 | ZigBee End Node ZigBee Green Power | ZigBee3.0 | ZigBee3.0 | ZigBee3.0 | ZigBee3.0 | ZigBee3.0 | ZigBee3.0 | ZigBee3.0 | ZigBee3.0 | ZigBee3.0 | ZigBee3.0 | ZigBee3.0 | ZigBee3.0 | ZigBee | ZigBee | ZigBee | ZigBee | ZigBee | ZigBee | ZigBee | ZigBee | ZigBee | ZigBee | ZigBee | ZigBee |
I/F | UART USART SPI | UART SPI | UART SPI | UART SPI | UART SPI | UART SPI | UART SPI | UART SPI | UART SPI | UART SPI | UART SPI | UART SPI | UART SPI | UART SPI | UART SPI | UART SPI | UART SPI | UART SPI | UART SPI | UART SPI | UART SPI | USART x2 | USB2 USART x2 | USB2 USART x2 | USB2 SPI UART |
ANT | 内蔵 | 内蔵 U.FL | 内蔵 U.FL | 内蔵 U.FL | 内蔵 U.FL | 内蔵 U.FL | 内蔵 U.FL | 内蔵 | 内蔵 U.FL | 内蔵 U.FL | 内蔵 U.FL | 内蔵 U.FL | 内蔵 U.FL | 内蔵 | 外付 | 内蔵 | 外付 | 外付 | 外付 | 外付 | 外付 | 外付 | 外付 | 外付 | 外付 |
技適 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | 〇 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | △ | △ | △ | △ |
寸法[mm] | 12.9 x 15.0 x 2.2 | 13.5 x 19.0 x 2.2 | 13.5 x 19.0 x 2.2 | 13.5 x 19.0 x 2.2 | 13.5 x 19.0 x 2.2 | 13.5 x 19.0 x 2.2 | 13.5 x 19.0 x 2.2 | 13.5 x 19.0 x 2.2 | 13.5 x 19.0 x 2.2 | 13.5 x 19.0 x 2.2 | 13.5 x 19.0 x 2.2 | 13.5 x 19.0 x 2.2 | 13.5 x 19.0 x 2.2 | 10.0 x 12.0 x 1.5 | 35.7 x 17.7 x 3.5 | 35.7 x 17.7 x 3.5 | 14.0 x 14.0 x 2.5 | 35.7 x 17.7 x 3.5 | 35.7 x 17.7 x 3.5 | 14.0 x 14.0 x 2.5 | 14.0 x 14.0 x 2.5 | 6 x 6 | 6 x 6 | 6 x 6 | 6 x 6 |
動作温度[℃] | -40 ~ 105 | -40 ~ 85 | -40 ~ 85 | -40 ~ 85 | -40 ~ 85 | -40 ~ 85 | -40 ~ 85 | -40 ~ 85 | -40 ~ 85 | -40 ~ 85 | -40 ~ 85 | -40 ~ 85 | -40 ~ 85 | -40 ~ 85 | -30 ~ 85 | -30 ~ 85 | -30 ~ 90 | -40 ~ 85 | -40 ~ 85 | -30 ~ 90 | -30 ~ 90 | -40 ~ 125 | -40 ~ 128 | -40 ~ 128 | -40 ~ 125 |
動作湿度[%] | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 0 ~ 85 | 0 ~ 85 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 |
説明 | ・2.4GHz 感度:-102.3 dBm BT5.2/BLE/BTMesh/方向探知 ・SoC ・セキュリティ ・FCC/CE/ IC/ISEDC/KCC | ・2.4GHz ・受信感度:-103dBm ・FCC/ IC/ ETSI/RCM/ ANATEL/KCC | ・2.4GHz ・受信感度:-103dBm ・FCC/ IC/ ETSI/RCM/ ANATEL/KCC | ・2.4GHz ・受信感度:-103dBm ・FCC/ IC/ ETSI/RCM/ ANATEL/KCC | ・2.4GHz ・受信感度:-103dBm ・FCC/ IC/ ETSI/RCM/ ANATEL/KCC | ・2.4GHz ・受信感度:-103dBm ・FCC/ IC/ ETSI/RCM/ ANATEL/KCC | ・2.4GHz ・受信感度:-103dBm ・FCC/ IC/ ETSI/RCM/ ANATEL/KCC | ・2.4GHz ・受信感度:-103dBm ・FCC/ IC/ ETSI/RCM/ ANATEL/KCC | ・2.4GHz ・受信感度:-103dBm ・FCC/ IC/ ETSI/RCM/ ANATEL/KCC | ・2.4GHz ・受信感度:-103dBm ・FCC/ IC/ ETSI/RCM/ ANATEL/KCC | ・2.4GHz ・受信感度:-103dBm ・FCC/ IC/ ETSI/RCM/ ANATEL/KCC | ・2.4GHz ・受信感度:-103dBm ・FCC/ IC/ ETSI/RCM/ ANATEL/KCC | ・2.4GHz ・受信感度:-103dBm ・FCC/ IC/ ETSI/RCM/ ANATEL/KCC | ・2.4GHz ・BT5.0/BLE ・FCC/ IC/ CE/RCM | ・2.4GHz ・eclipseベースの開発環境 ・FCC/ IC/CE/RCM | ・2.4GHz ・eclipseベースの開発環境 ・FCC/ IC/CE/RCM | ・2.4GHz ・eclipseベースの開発環境 ・アンテナ性能評価サービス ・FCC/ IC/CE/RCM | ・2.4GHz ・eclipseベースの開発環境 ・FCC/ IC/CE/RCM | ・2.4GHz ・eclipseベースの開発環境 ・FCC/ IC/CE/RCM | ・2.4GHz ・eclipseベースの開発環境 ・アンテナ性能評価サービス ・FCC/ IC/CE/RCM | ・2.4GHz ・eclipseベースの開発環境 ・アンテナ性能評価サービス ・FCC/ IC/CE/RCM | ・2.4GHz ・SoC ・FCC/ ETSI ・ARIB STD-T-66 (日本) | ・2.4GHz ・SoC ・FCC/ ETSI ・ARIB STD-T-66 (日本) | ・2.4GHz ・SoC ・FCC/ ETSI ・ARIB STD-T-66 (日本) | ・2.4GHz ・SoC ・FCC/ ETSI ・ARIB STD-T-66 (日本) |
ZigBeeモジュールの購入先

ZigBeeモジュールの購入先についてわかりやすいように整理しておきます。
大手ディストリビューターで入手しやすいモジュールとしては、国内メーカーで言うとMonoWirelessが小型で扱いやすいモジュールを開発しています。
仕様がシンプルで悩みにくいところ、開発部隊が日本語でコミュニケーションできるところが重要です。
海外メーカーでは、DigiInternationalのXBee3ノンプロモジュール(型名にPROの表記がないもの)が、技適認証済みのZigBee3.0対応シリーズであり、非常に在庫量が豊富です。
ハイブリッドで実装する場合、最もシンプルな選択肢は、最初からハイブリッドの製品を購入することです。
この点で見ると、シリーズラインナップは少なくとも、SiliconLab、Fanstelは有力な選択肢になります。
なお、日本法人があっても開発部隊は海外拠点ということもあるので、日本語での技術的なコミュニケーションがどの程度できるか、という点についても、注意を払うことが望ましいです。
大規模展示イベントの参加のススメ
ZigBeeは、各社意欲的にソリューションを開発していますが、まだまだ数が少ないのが現状です。
このような場合、市場調査・新技術調査の重要性がより高まります。
そのために、『5G/IoT通信展』や、『ワイヤレスジャパン』などの大規模展示イベントで情報収集することをお勧めします。
多数の製品の展示に加えて、専門家の特別講演なども実施されます。各社主要プレイヤーのビジョンを知り、将来の動向を検討する上で有益な情報を得られます。
参考URL①:5G/IoT通信展
参考URL②:ワイヤレスジャパン公式サイト
まとめ
ZigBeeの開発には、先述した欠点があるため、機能を作り込むよりも、その周辺的な問題に足を引っ張られやすいという懸念がつきまといます。
例えば、普及規格であるWi-Fi、Bluetoothと干渉するということは、単に利用シーンが狭くなるだけでなく、干渉対策も非常に高いレベルのものが要求されるということです。
また、既に述べた市場調査、利用者の機嫌を損ねないようなマニュアルの整備(他の便利な製品に影響を及ぼすため)、トラブルシューティング体制の整備などについても、通常より多くのリソースを割かれるリスクがあります。
ひょっとすると、この市場調査には海外も含まれるかもしれません。
周辺的な問題とはこのようなことです。
ですから、想定よりも長いスパンの開発になることを予め織り込んだ計画を立てるのが望ましいと思います。
おそらく、プロジェクトに先行・並行して電波の干渉についての調査・研究を進めながら設計を進める必要があるでしょうし、その過程でモックアップや実証機が多く必要になるかもしれません。
こうしたリスクを踏まえると、ZigBeeの製品設計は、既存の開発リソースを再利用したり、あるいは将来再利用しやすい工夫にすることが、他の規格での開発よりも、より重要性を増すものと考えられます。
本記事の情報が、効率的なZigBee製品の設計に役に立てば幸いです。
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