インダストリ4.0と呼ばれる第四次産業革命で重要なポジションを担うアイテムには、IoTやドローン、AI、ロボット、ビッグデータ、ゲノム編集など様々なものがあげられます。
これらの技術は今後の世界のあり方を、パラダイムシフトさせる強力な技術として注目されています。
ここでは、インダストリー4.0で注目されているアイテムの中でも、ドローンとIoTを組み合わせたドローンIoTにフォーカスを当て解説します。
この記事を読めば、ドローンIoTに関する知見や概要を理解することができるでしょう。
ぜひ最後までご覧いただければと思います。
ドローンとは
ドローン(無人航空機)とは何かについて解説します。
ドローンとは改正航空法によれば、「航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他政令で定める機器であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるもの」として定義されています。
つまり、人が乗る事ができないような小さなサイズで遠隔操作が可能な飛行物体をドローンとするということです。
また、改正航空法では、機体の重量についても言及しており、機体の重量が200g以上のものをドローン(無人航空機)、200g未満のものを模型航空機として分類しています。
ドローンの規制について
ドローンを利用する時に、以下の場所で利用するには許可が必要です。
空港などの周辺の空域
国土交通大臣が指定する空港の周辺区域(空港の敷地・区域やその周辺概ね300mの地域) の上空ではドローンを飛行させることは禁止されています。
指定されている空港周辺地域で、ドローンを飛行させる場合は、空港管理者及び都道府県公安委員会などへ事前に申し込む必要があります。
地表もしくは水面から150m以上の高さの空域
地表もしくは、水面から150m以上の高さの空域を飛行させる場合は、予めその空域を管理している管制機関と調整を行った後で、国土交通大臣の許可が必要となります。
人口密集地区の上空
人口密集地区の上空にはドローンを飛行させることはできません。
人口密集地区であるかどうかは、国勢調査に基づき設定されています。 そのため、飛行させたい地域が、人口密集地であるかどうかを事前に把握しておく必要があります。
ドローンの飛行で守るべきルール
無許可での飛行や基本的なルールを逸脱した飛行に対しては、罰則規定が適用されることもあります。
具体的に、守るべきルールは以下の通りです。
ドローンで守るべきルール
- 飲酒によるアルコールを帯びたドローンの操作を行わない
- 飛行前に安全確認を行う(機体点検や周囲の安全など)
- 航空機または他のドローンと衝突を避けるように飛行する
- 周辺地域の迷惑にならないようにする(急降下や騒音など)
- 日中(日の出から日の入りの間)に飛行させる
- 祭礼や縁日、音楽フェスティバルなどが執り行われるエリアの上空には飛行させない
- 爆発物や危険物を伴う飛行をしない
- ものを投下するような飛行をしない
ドローンの違反飛行に対する罰則
違反を起こした場合、以下の罰則が適用されることもあるので注意が必要です。
適用される罰則
- アルコールや薬物を摂取した状態でドローンの正常な飛行ができないのに、公共の場でドローンを飛行させた場合、1年以下の懲役または30万円以下の罰金
- 飛行禁止区域で無許可でドローンを飛行させた場合、50万円以下の罰金
- 承認を得ていないのに、「航空法で禁止されている飛行方法」によってドローンを飛行させた場合、50万円以下の罰金
ドローンの飛行許可の申請をしよう
ドローンを「飛行禁止空域」で飛行させる場合には、事前に申請が必要です。
申請は、飛行開始予定日の10開庁日までに、申請書類を揃え、国土交通省や都道府県公安委員会に提出する必要があります。
ドローンIoTのビジネスへの活用事例
IoTとはInternet of Thingsの略語で、従来インターネットに接続されていなかったさまざまなものをインターネットを通じて接続する技術のことを指します。
その対象となるものには、センサー機器、アクチュエータ、住宅、建物、車、家電などがあります。
これらがインターネット上で互いに情報交換することで、物事をよりスムーズに効率的に進めることができます。
ドローンもインターネットに接続し、IoT化することで今までになかったようなビジネスが生まれています。
ここではドローンIoTの事例を紹介します。
スマート警備
ドローンとIoTを組み合わせてできることの一つに、自動で敷地内の警備を行えるといものがあります。
ドローン本体とインターネットに繋ぐことで、ドローン同志の情報のやり取りが自動で行え、仮に不審者が侵入してきたときに、ドローン同志で連携して、不法侵入者を確実に追跡できます。
ドローンショー
ドローンは東京オリンピックの開幕式にも使われました。その使われ方は、ドローン1824機にLEDライトを搭載させ、空中で軍団飛行させるものでした。
この時に利用されたドローンは、インテル製の「プレミアムドローン」と呼ばれるもので、これまでにショー用として利用されていたドローンである「Shooting Starドローン 」よりも軽量で、LEDの発色を改善したものが使用されました。
人が入りにくい場所での点検作業を実施できる
建物の外郭や屋根の上、大きな橋の橋脚など、人が入って行ずらい場所や目視で確認することが難しい場所でも、問題無く飛行できます。
したがって、人間が危険にさらされることなく、対象部分の点検ができます。
スマート農業
これからの時代は、農業でもIoTやドローンを活用していけます。農機や農薬散布にドローンを利用することがすでに実証されています。
また、これにIoT技術を使用すれば、リアルタイムに食物の生育状態を観察することが出来る上に、ベストな収穫時期を割り出すことができるようになります。
スマート物流
今までは、人に任せることしかできなかった配達作業をドローンで行えるようになっていくことでしょう。
この技術がIoTと掛け合わされることで、ドローン同志で位置関係や運搬荷物の量などの情報をやり取りすることができます。
そのため、効率の高い配送作業が実現でき、また少子高齢化で人材不足になっている物流業界を改善することができるでしょう。
スマートファクトリー
製造業では、IoTとドローンを駆使してスマートファクトリーと呼ばれる工場が実現しつつあります。
IoTを使えば産業用機械とドローンが通信が可能となり、より作業効率を上げることが可能です。
例えば、産業機械で加工が終わった部品を自動的に機械から外し、ある程度加工後の部品が溜まったところで、その部品を次の工程へ移動させることにドローンを使えば、人間が介在することなく、工場のラインは動くことができます。
また、IoTの技術により、一日にどの程度の部品を加工できているかをデータ化することが可能となり、さらなる作業効率の向上に寄与できます。
まとめ
いかがでしたしょうか。
将来、ドローンIoTがもたらす有益性についてご理解いただけたでしょうか。
ドローンIoTは、インダストリー4.0あるいはSOCIETY5.0を確立するための要になるとなることは間違いないでしょう。
少子高齢化で人材が不足している業界や、人を使うには危険すぎる業界での課題を一挙に解決できる技術として、今後も注目され、開発、研究が進んでいくことが考えられます。
皆さんの意識に関わらず、気付いたらすでにIoTやドローン技術の恩恵を授かっているようなこともあるかもしれません。
今までの生活が、次世代の技術によって激変する節目にあることは間違いないでしょう。